TATCHA（タッチャ）は、サンフランシスコを拠点にしながら、日本と縁が深いスキンケアブランドである。日本産の原材料を主に使用し、日本独自の美学も取り入れている。TATCHAのインディゴ・カーミング・リチュアルは視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚を用いた、多感覚的にケアする夜の習慣で、サウンド面はSynとのパートナーシップによって生み出された。日本の美容文化において、儀式は重要な意味を持っており、それを反映しながらも、革新的なテクノロジー（PlantWave）を取り入れることで、Synは音響体験の可能性を広げることに挑戦した。このプロジェクトを探求していく中で、四国の藍農園や埼玉の国有林のヨモギなどを求め日本全国を巡り、「PlantWave」という小型装置を利用することで、植物の葉から MIDI データを抽出し、８分間の楽曲に仕上げた。TATCHAのファイブセンシズ（五感）リチュアルの一環であるこの楽曲は、様々な面でこれまでにない体験となった。滝、小川、海岸、歌、竹笛の録音と、Indigo（藍）に含まれる成分の音波を掛け合わせながら、ドルビーアトモスでミックスすることで、没入感のある楽曲に仕上げた。TATCHA CEOであるヴィッキー・ツァイと30名の参加者は、テキサス州オースティンのラボで脳波神経科学テストを受け、リチュアルのリラックス効果を調査。結果、リラックス効果21％増、ストレスレベル17％減という驚異的な数値を記録。その後「Muse By Clio」や「LBB」での特集を含むPRキャンペーンが話題を呼び、新規および既存のクライアントとプロジェクトを共有するためのワークショップやプレゼンテーションの機会にも恵まれた。このプロジェクトの立ち上げ以来、私たちはこの革新的な手法に触発され、音がもたらす癒やしの効果をTATCHAと共に探求し続けている。
