元日の日の出を拝む「初日の出」は、日本のお正月を象徴する風習だが、元旦に富士山の頂上から迎えるご来光は特に重要な意味を持っており、その瞬間に立ち会うために全国から毎年大勢の人が集まる。アマゾン・ジャパンの新年セール・キャンペーンは、この希望に満ちた行事に沿ったコンセプトとなっている。このキャンペーンには、日本酒、お餅、富士山など、日本人にとってお正月の欠かせないアイテムが遊び心溢れるアニメーションとして登場するわけだが、それを「和」を感じさせる音楽で表現しながらも、人と人のつながり、希望を感じさせるユニークな楽曲を制作することが今回のプロジェクトの目的となった。アニメーションの中で大々的にフィーチャーされているアマゾンの配達用の箱にインスパイアされた我々は、アマゾンの箱をパーカッション楽器として楽曲の中で使用することを決意。太鼓や打楽器は日本の伝統音楽において欠かせない存在であるため、アマゾンの梱包材を楽器として使うことで、それらに命を吹き込み、アマゾンを音として表現することができた。尼崎に新しく開設され、世界最大規模のアマゾンの物流拠点であるESR尼崎ディストリビューションセンターにSynのチームが出向き、様々なサイズの箱をマレットやスティックで叩くことで、幅広い音色やテクスチャーをレコーディングした。広大なスペースの中で録音することで、自然なリヴァーブ、大規模なスケール感と存在感を楽曲の中に反映させ、実際に日本酒の瓶や段ボール箱などを鳴らした有機的な音色を取り入れることで、このマジカルなアニメーションに更にリアリティを与えることができた。アマゾンのアイコニックな「スマイル」のロゴのアニメーションは、音楽の中で口笛として表現することで、軽快なイメージを強調。音楽とサウンドを使ってアマゾンの箱やロゴに命を吹き込むことで、アニメーションの中に登場するキャラクターの人間臭さを引き出し、オーディエンスがキャラクター達と共に新年を迎える世界観を作り上げることができた。