ロバート・パーマーは著名なシンガーソングライター、プロデューサーでありながら、パワフルでソウルフルな歌声で知られる。ソウル、ファンク、ジャズ、ロック、ポップ、レゲエ、ブルースなど様々なスタイルの音楽を探求してきた。キャリアを通じて幅広いサウンドに挑戦してきた彼は、流行の最先端になることもあれば、メインストリームから外れた作品をリリースしたこともり、その後者の一例が、彼が70年代半ばにリリースしたザ・ミーターズがバックバンドとして参加したニューオーリンズ・ファンク色が強かったアルバムだ。パーマーは「Every Kinda people」のさわやかなアイランドサウンドで初のアメリカでのヒットを記録し、「Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)」のド迫力のロックサウンドで2度目のヒットを獲得した。キャリアを通じて数々の賞を受賞してきた彼は、グラミー賞の最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を2回、MTVビデオ・ミュージック賞を1回受賞し、ブリット・アワードで最優秀ブリティッシュ男性ソロ・アーティスト賞にノミネートされた。パーマーとニック・ウッドは、Synを立ち上げたばかりの頃からコラボレーションをしてきた。1996年にSynの初の東京スタジオがオープンした時に二人は偶然出会って意気投合、のちにシルヴィオ・アナスタシオのソロアルバムに収録された「Say You Will」、そして「Last Forever」といった楽曲を共作した。シルヴィオ、パーマー、ニックのトリオは、ビートルズの名曲「Drive My Car」のカバーも録音し、パーマーが54歳の若さで亡くなる3カ月前に東京で行われた最後のコンサートで披露した。