2023年1月19日
「2021 Might Not Suck (2021年はきっといい年になるはず)」。誰もがそんな期待を抱きながら、新年を迎えたはずだ。2020年を後にし、「明けましておめでとう!」と書かれた新年の挨拶のメールが徐々に届かなくなってくる中で、今年がより良い年であってほしいという希望に胸を膨らませるようになる。2020年の大晦日にCNNで放送されたアンダーソン・クーパーとアンディ・コーエンによるバーチャル年越しカウントダウン番組のプロモーションキャンペーンには、この希望に満ちた感情のエッセンスが凝縮されていた。このイベントはタイムズスクエアから生中継され、例年より参加人数は少なかったものの、クーパーとコーエンは軽快なトークで、完璧とは言いがたかった一年に別れを告げながら司会を務めた。
「2021 Might Not Suck (2021年はきっといい年になるはず)」。誰もがそんな期待を抱きながら、新年を迎えたはずだ。2020年を後にし、「明けましておめでとう!」と書かれた新年の挨拶のメールが徐々に届かなくなってくる中で、今年がより良い年であってほしいという希望に胸を膨らませるようになる。2020年の大晦日にCNNで放送されたアンダーソン・クーパーとアンディ・コーエンによるバーチャル年越しカウントダウン番組のプロモーションキャンペーンには、この希望に満ちた感情のエッセンスが凝縮されていた。このイベントはタイムズスクエアから生中継され、例年より参加人数は少なかったものの、クーパーとコーエンは軽快なトークで、完璧とは言いがたかった一年に別れを告げながら司会を務めた。
ブロードウェイ風の楽曲をゼロの状態から作曲、アレンジ、レコーディング、ミックスをし、どのようにしてたったの2週間で完成させることができたのか?昨年12月にCNNからこのプロジェクトを依頼されたときに、2週間で完成させることが必須条件だった。ニック・ウッド(SynのCEO / クリエイティブ・ディレクター)とウィット・フリーズ氏(Synの長年のクライアントで、CNNクリエイティブ・マーケティング副社長/グループ・クリエイティブ・ディレクター)が電話で会話をした時に、フリーズ氏は「アンダーソン・クーパーとアンディ・コーエンのためにミュージカル風の曲を作曲して、彼らにとって初となるボーカル・パフォーマンスをレコーディングして欲しい」と依頼した。とにかくスケールが大きくて、パワフルで、勝利の喜びに満ち溢れながらも、真のショーマンシップを前面に押し出した作品を制作してほしいというリクエストでもあった。
この作品に登場する踊るトイレットペーパー、歌うウェイター、そして派手なパフォーマンスをする救急隊員はどれも個性的なキャラクターばかりだが、過去1年間の人々の団結力、ポジティブな姿勢、そして困難を乗り越える力強さを象徴している。「ピアノだけじゃダメだ。もっとガツンとくる曲を作らなきゃ!」というニック・ウッドの言葉に突き動かされたチームは、「どんなに厳しい締め切りでも間に合わせる」というSynのモットーを胸に、Synのグローバル・システムをフル活用しながら大陸をまたぐコラボレーションを実現させた。
まずニック・ウッドがピアノで作曲したデモをもとに、サウスカロライナを拠点に活動するロン・ゴールドスタインとトロント在住の編曲家であるトッド・ヘイエンが綿密にコラボレーションをし、ブロードウェイのピットオーケストラのためにアレンジ作業に取りかかった。クーパーとコーエンの最高のボーカルパフォーマンスを引き出すことと、ユーモア溢れるストーリーをオーディエンスに伝えることが大前提だったため、ボーカルを引き立てるアレンジを制作することが重要だった。まずは、ロサンゼルスでジェフ・バブコ(ピアノ)とジェイミー・テイト(ドラム)という著名なリズム・セクションのレコーディングからスタートした。コロナパンデミックの最中にフルオーケストラを録音するのは容易な作業ではなかったが、Synは幸運にもシャングリラスタジオにおいてコロナ対策が万全な環境でコラボレーションを進めることができた。Synの音楽プロデューサーである芳賀一之の監修のもと、弦楽器、木管金管、打楽器、ティンパニ、グロッケンシュピール、マリンバを含むオーケストラが東京のアバコスタジオでレコーディングされ、大規模なアレンジを各セクションごとに録音するというアプローチをとった。さらに深みのあるサウンドを生み出すために、台所から打楽器として使える道具を集め、鍋やフライパンなどでパーカッシブな音を録音した(制作アシスタントでありSyn専属のキッチン・パーカッショニストでもあるマチュー・クラニッシュが担当)。これだけの規模のアンサンブルをミックスすることは、やりがいがありながらも手間のかかる作業。Synのチーフエンジニアである赤工隆は、CNNに音源をプレゼンテーションするために、東京都心にあるSynのスタジオでミックス作業を担当した。
どんな熟練のパフォーマーでもマイクの前に立つと怖気付くことはある。シネイド・オコナーは、「私がマイクを握ることを誰にも邪魔をさせない」という有名な言葉を残したが、アンダーソン・クーパーとアンディ・コーエンはその精神を受け継いだかのようにレコーディングに挑んだ。柔軟なアプローチでボーカルのレコーディングに取り組んだ彼らの歌声は自信とユーモアに溢れており、劇伴の素晴らしさをさらに引き出した。Synと長年コラボレーションをしてきたオハイオ在住のボーカルディレクターのゲイリー・グリフェンにサポートされながら、クーパーとコーエンはスタジオでボーカルのレコーディングを進め、ミックスが完了したオケと組み合わせることができた。アンディ・コーエンは大晦日の番組放送中に「俺たちはマジで歌がヘタだから!」と自虐的なコメントをしたが、彼らがレコーディング・セッションで惜しみなく努力をしてくれたおかげで、この作品に生命が宿ったのは間違いない。もしかしたら、二人がブロードウェイでデビューする日が近かいかも?
レコーディングが完了すると、「こういうプロジェクトがまさに我々の生きがいなんだ。みんなの努力の結晶だから、早くCNNに送って反応を聞きたいよ!」とニックが言い放ったのが印象的だった。ここまで大規模な企画の依頼を受けてからわずか2週間で完成させたわけだが、特に2020年のように困難が多かった年を、大勢の人々の想いが込められた作品で締めくくることができたのは最高の経験だった。このようにクリエイティブな挑戦に溢れていて、アーティスティックな刺激を受けながらも世界中のアーティストとコラボレーションができ、さらにパンデミックを吹き飛ばすような力を持ったプロジェクトに取り組むこと自体が、Synの存在意義なのかもしれない!
東京の楽器奏者たちやアトランタのクリエイティブチーム、そしてニューヨークのスタジオエンジニアに至るまで、このプロジェクトは「国境なき音楽」という私たちのモットーを体現している。2020年に直面した困難は2021年に入っても続くかもしれないが、希望、ユーモア、ポジティブでい続けるという不屈の精神は決して消えることはない、ということを再確認させてくれた。このプロジェクトに携わったすべての人々に多大に感謝をするとともに、もう一度声を大にして言わせて欲しい。「2021 Might Not Suck!〜2021年はきっといい年になるはず!」