Made In Japan

2024年1月24日

多くの人が持つ日本のイメージと言えば、静かな温泉、心地の良い居酒屋、ネオン輝く賑やかな街並み、洗練されたテクノロジーと奥深い古き良き文化が融合する場所…とさまざま。でも、それはどんな音なんだろう?多くの人が日本以外の国で日本の音楽に触れたのは、地元の寿司バーのBGMもしくは、2003年のソフィア・コッポラの映画「ロスト・イン・トランスレーション」からだろう。日本のポップカルチャーのように、その奥深い音楽の伝統は過去と現在が合わさって、時間と距離を超えて広く影響しているのだ。

Synは30年以上東京に拠点を置くことで、日本独自のソニック·アイデンティティを日常的に体験する機会に恵まれてきた。1991年にサイモン·ル·ボン、ヤスミン· ル·ボン、ニック·ウッドによって東京で設立されたSynのアイデンティティとストーリーの中で日本は、切っても切り離せない存在なのだ。

2020年、Synは人を日本音楽の旅へと導く音楽コレクション「Made In Japan」をローンチした。それから3年目を迎えたSynは、才能あるミュージシャンたちとのコラボレーションを続け、彼らのスキルを共有しながらコレクションの幅を広げている。「Made In Japan」の一作目以来、Synは映画やテレビのライセンスを通じて本物の日本の音楽をオーディエンスに届けてきた。「ザ・シムズ 4」(ゲーム)、「Tokyo Vice シーズン1」(HBO)、「People Just Do Nothing」(BBC)、「パチンコ シーズン1」(Apple TV+)、「復讐の拳」(Netflix)などの作品を通して「Made In Japan」の地位を確立した。「Made In Japan」は、映画やテレビの制作からゲーム、ライブシーンまで、日本のフレーバーが必要なチャンスがあればどこでも音楽のソリューションを提供できるのだ。

そして今、コレクションの4年目を迎えるSynは「Neon Geisha」(深みのある伝統と最先端の現代の境にある紛れもない日本文化)、「Tokyo Hustle」(広大なサウンドで賑やかな大都会東京のエレクトリックなトリビュート)、そして最近は「Tokyo Twilight」(シティ・ポップと1980年代の東京の青春時代)と成長を遂げている。

シティ・ポップは、1970年代後半から1980年代にかけて急速にブームとなった。オーディエンスは主に都市部で、ファンク、ディスコ、ソフトロック、ポップスなど西洋の音楽ジャンルからインスピレーションを受けて現代の日本経済の代名詞にもなった。「Tokyo Vice」や「パチンコ」などのアメリカの人気ドラマや、TikTok やインフルエンサーによるオンラインでの広がりが近年のシティ・ポップ復活に影響を与えていて、アメリカの音楽メディア、ピッチフォークは2021年に「日本のシティ・ポップの終わりなきライフサイクル」と記事にするほど。

「Tokyo Twilight」でSynは、現代のミュージシャンと本来のシティ・ポップのボーカリスト双方の耳を通して、多くの人に愛されるこのジャンルを再現しようと試みた。桜田マコト、AYAKA、エミ・アラマキ、湊山はる、yokoなどのボーカリストとソングライター、作詞家、プレイヤーたちと取り組み、数十年を経て21世紀にシティ・ポップを伝えたのだ。Synのロサンゼルスとロンドンチームの協力も得ながら、原宿にあるSynの東京スタジオでレコーディングした。このジャンルを忠実に再現するためには細心の注意を払い、サウンドや歌詞、ボーカルパフォーマンスすべてをシティ・ポップというジャンルに仕上げた。感情的なボーカルや劇場的な表現、トロピカルな雰囲気、そしてきらめくシンセサイザーはこのジャンルの特徴だ

Tokyo Twilightにフューチャーされた著名なゲストボーカリストの一人に、青森県十和田市出身の桜田マコトがいる。ニューヨークの有名な会場、カーネギーホールでのパフォーマンス

を含む凄腕のキャリアを持つ彼は、多才なソングライターでありボーカリストだ。このコレクションに収録されている「City Lights」、「Sayonara Girl」、「Hope Is In The Air」の特徴的でスタイリッシュなボーカルは、時代を超越した声の持ち主であることを証明している。娘のAYAKAが「Midnight Shower」でシンガーとして参加しているのも、父である彼から音楽的才能を受け継がれている理由だ。

「Tokyo Twilight」にフューチャーされているもう一人のボーカリストはyoko。ニック・ウッドとは長年のコラボ仲間で、2000年リリースのアルバム「Sound Virus」にも参加している彼女は、日本のバンド、ザバダックの創設メンバーとしても知られている。「Tokyo Twilight」収録曲の彼女の曲「Time To Move On」はすでにハリウッドの音楽スーパーバイザーたちの耳を惹きつけていて、キャラメルのような滑らかなボーカルとシネマティックな感情が混ざり合う彼女の歌声が銀幕で披露される日が楽しみでならない。

シティ・ポップのトリビュートに花を添えるのはサックスの音色だ。東京で最高にクールな演奏スキルのプレイヤーたちと仕事ができてラッキーだった。サックス奏者のグスターボは、これまでザ・リッツ・カールトン東京、コンラッド東京、アマン東京といった高級ホテルでのパフォーマンスの現場でSynとコラボしたことがある。ステージの場から離れ、Synの東京スタジオを訪れたグスターボは「City Lights」と「Sayonara Girl」のサックスを奏で、生の楽器がもたらす魔法のような輝きを加えた。

「Made In Japan」の誕生によって日本の豊富な音楽的才能に囲まれたSynは、東京を拠点とするレコードレーベル、What'suppp Entertainmentとライセンスの提携をした。プロデューサー兼アーティストのKatsuya Mouriによって 2014 年に設立された What'suppp Entertainment は、日本のダンスに影響を受けた音楽に特化し、DaNINKS(HBO「Tokyo Vice シーズン 1」で ライセンスを取得)や Unite Satisfy(ゲーム「ザ·シムズ 4」でライセンスを取得)など優れたアーティストが所属する。800曲以上のカタログを所有するSynは、What’suppp Entertainmentと提携することで、映画、テレビ、ゲームにダイナミックな音楽コレクションの導入を実現させた。

Synの“世界の音を奏でるために”というテーマを探求する旅は、五大陸にまたがってグローバルに活躍するチーム(今のところ南極でボーカリストを見つけるのは未だ困難だが…)により海を超えて広がっている。「Made In Japan」はSynに豊富な音楽を見つけ出す機会を与え、ライセンスを通じてより多くのオーディエンスにそれを共有できていることを誇りに思う。かつては地域別にコンテンツに制限があった地理的な(および言語の)壁が打ち破られ、Netflix、HBO、Apple TV+などのストリーミングサービス大手が世界各地のコンテンツを受け入れている。Synは、これが黄金時代であると信じている。メディアを通じて異文化の音、味、質感を体験する時代。「Made In Japan」は、この五感という饗宴の重要な材料なのだ。

東京トワイライトのプレイリストはこちらから: